大会長挨拶

平成26年室内環境学会学術大会大会長
柳 宇(工学院大学 建築学部 教授)

 1994年9月に本学会の前身である「室内環境研究会」が設立され、今20周年を迎えようとしています。人間でいえば二十歳はめでたく成人となりますが、本学会の変遷を眺めてみると、様々な課題を抱えているように思われます。一つの原因として、設立当時にはいわゆるシックハウス問題に社会的な関心が集まり、化学物質関連の発表が多くありましたが、2003年に建築基準法が改定され、その影響もあってか近年化学物質関連の発表数が減少してきていることが考えられます。その後、微生物などの研究発表が若干増えて現状に至っています。
多くの人は室内環境学会というネーミングがよいと思っていますが、室内環境は空気環境だけでなく、熱環境、光環境、音環境も含まれるべきです。残念ながら、これまでの研究発表会でのこれらの分野の発表数は皆無といっても過言ではありません。
そこで、二十歳を迎える本学会の平成26年の大会では、室内環境の原点に戻り、メインテーマを「室内環境の未来をみすえて」としました。空気分野に限らず、熱分野、光分野、音分野、あるいは複数分野をわたる研究成果に関する発表が多く寄せられることを期待いたしております。
2020年には東京オリンピックが開催される予定です。現在、本大会の会場となる新宿西口一帯の再開発も行われる予定ですので、ぜひこの機会に会場まで足を運んでいただきたく思います。

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